薬の効果・作用を、新しい視点から考える臨床スポーツ薬理学推進機構

臨床スポーツ薬理学は
新しい研究領域です

臨床スポーツ薬理学は、
薬の効果・作用を、スポーツの視点から考える新しい研究領域です。

同じ治療薬であっても、
運動の影響によって身体に異なる効果・作用をもたらす場合があります。
「臨床スポーツ薬理学」では、基礎から臨床まで、
身体と薬そして運動の相互の影響について、
「臨床スポーツ」と「スポーツ薬理」の複合的な視点から考えます。

治療薬 同じ効果・作用? 運動する時 運動しない時

鈴木 秀典

臨床スポーツ薬理学推進機構 会長

すずき鈴木

ひでのり秀典

略 歴

私たちはCOVID-19ウイルス感染症のパンデミックを経験し、様々な行動制限を受けたことで、あらためてスポーツによる身体活動の価値を認識したのではないでしょうか。事実、ボランティア活動などでスポーツに関わったり、自らスポーツをする人口は増加しています。病気の治療においても、糖尿病やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病だけでなく、心疾患、呼吸器疾患あるいは慢性腎臓病などでも運動療法の有用性に関するエビデンスが蓄積しています。
 一方、薬物治療を受けながらスポーツをする場合、身体運動によって各組織の代謝や神経活動が変動し、治療薬の薬物動態や薬理作用が影響を受ける可能性もあります。医療の進歩が著しい現代社会において、様々な疾患を治療しながらスポーツを楽しむ人々が増えていることを考えると、スポーツと薬物療法の関連についての正確な情報を得ることが益々重要となっています。
 臨床スポーツ薬理学は、これまで薬理学が蓄積してきた薬に関する知見と、スポーツ医・科学がもつ臨床医学や運動生理学の知識を繋ぎ、医療や健康に貢献することをめざした学際的な研究分野です。
 本機構では、臨床スポーツ薬理学の情報を収集するとともに研究を推進し、それらの成果を社会に向けて発信していきたいと考えています。